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まるで夢を見る者のような、
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※BLD注意













「鬼はー外、福はー内」

声と同時に、バラバラ、と地面に豆が落ちる。
今日は節分。この忍術学園でも生徒たちは皆、豆まきをしている。
そう、豆まきを。

「いけいけどんどーん!!」
「ギンギーン!!」

そんな豆まきに不似合いなかけ声がすると、豆がまるで鉄砲のように鋭い勢いで横から飛んでくる。

「……全く、餓鬼かあいつらは」

小平太と文次郎ははしゃいでいるらしく、豆まきというレベル以上の豆まきをしている。委員会の後輩たちが哀れだ。そう思っていたら体育委員と会計委員の下級生たちが穴に落ちた。喜八郎が掘ったのだろう。

「仙蔵、せーんーぞーおー!」
「鬼は外」
「ぎゃあ?!」

私に近づいてきた奴の顔がやけにニヤついていたから、全力で豆を投げつけた。顔に当たったらしく、「目がー! 目がー!」と喚いている。

「何だ、騒々しい」
「ひでぇよ仙蔵……節分なんだからはしゃごうぜ」
「それなら奴らの所にでも行け。私はどうでもいい」

私が文次郎と小平太を指さすと、奴は不満そうな顔をした。

「やだよ。あいつら豆まきって言うか、銃撃戦やってんじゃん」
「まあ、それは認めよう」
「だからさ、俺たちはきゃっきゃウフフな豆まきを」
「黙れ」

私は再び豆を投げつける。ぎゃー、と悲鳴が上がるが無視だ。いちいち相手にしてやるほど、私は優しくない。

「ひでぇ……ひでぇよ、仙蔵……」
「貴様が五月蝿いからだ」
「だからって目は良くないぜ……仙蔵が見れなくなったら泣いちゃうぜ……」
「勝手に泣け」
「ひどっ?!」

何も酷くはない。私は事実を言っているだけだ。

「あーあ、俺と仙蔵の間に福は来ねぇかなあ」
「お前が外に出てくれた方が私はありがたい」
「……仙蔵、そんなに俺を泣かせて楽しいわけ?」
「いや、別に」

私が言うと、奴はがくりと肩を落とす。わざわざ男を泣かせても楽しくはない。

「福って、どうしたら来るのかねぇ……」
はあ、とため息混じりに呟く奴を見て、私は奴をどうやったら払えるか少し本気で考えていた。





豆で払えるレベルじゃない
(豆ごときでは払えんだろうな)(しかし火矢を使うのは勿体無いな)(だがただで払えるものではないし)(どうしたものか……)
(せ、仙蔵さん?)(考えてる顔がマジなんすけど……)(ちょっと怖いんですけど……)(……仙蔵?)

















真綾×仙蔵。
仙蔵は常にガチで真綾を払う方法を考えています(笑)
あとで真綾と仙蔵の(仙蔵が一方的な)豆の投げ合いになります。豆っていうか、火矢っていうか。
多分食満の修繕が大変になるんだろうなあ。食満、涙目!(笑)

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