忍者ブログ
まるで夢を見る者のような、
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

BLD風味注意














何かが違う。
見慣れた校庭、けれど何かが違うことだけははっきりとわかった。
何が? それは、わからないけど。

「……」

昔から「お前は勘だけはいいね」と言われていた。あと、「よく動き回る」だったか。ともかく、俺の勘はこの校庭が何か違うと俺に教えてくれていた。
何が違う? 何かが、違う。
一歩踏み出したとき、確信した。

目の前が暗くなり、尻に強い衝撃。

「大ー成ー功」

どこかやる気のない声。いやに土臭い。顔を上げると、見たことのある顔があった。

「綾部……喜八郎だっけ? 作法委員会の」
「はい」
「あのさ、」
「はい」
「なんだコレ」

コレとは、つまり今俺が落ちた……落とし穴。大成功、ってことは綾部がこの穴を開けたのだろう。

「トシちゃん九号です」
「トシちゃん?」
「落とし穴の、トシちゃんです」

なるほどトシちゃん。じゃなくって、

「何で俺を落としたのさ」
「てっきり避けると思いました。仙蔵先輩の火矢は軽々避けられていますから」

いやいや、質問の答えになってないぞ、綾部。

「真綾さんのおもしろい姿が見れてよかったです」
「……どういう意味よ、それ」

俺が尋ねると「さあ?」と意味深な返答をされてしまった。

「登れますか?」
「無理。どう考えても深すぎだろ、これ!」

俺の身長の二倍近くの深さのある穴。道具を持っていない俺に登れというのはなかなか酷だ。
とかなんとか考えてたら縄が降りてきた。その縄を使って数分ぶりの地上に戻る。

「ありがとう綾部」
「いえ。……真綾さん、気づいていたんですか?」

突然の問いに意味が分からず首を傾げる。

「トシちゃん九号、気づいてましたよね」
「んー、まあなんかあるなあ程度だけど。それがどうした?」
「僕の落とし穴も、まだまだみたいだ」

なんだか自己完結な呟きを零した綾部は、すたすたと俺の前から去っていった。
……なんて言うか、変わった奴だな。



転落、
(って……)(また落とし穴かああああああ!!)(大ー成ー功)














綾部と真綾さん。真綾さんはとりあえずみんなと仲良しです、はい。
でも夢主は一回綾部の穴に落ちないと、ね!(笑)

PR
この記事にコメントする
HN
Title
Mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
桃月
性別:
女性
最新CM
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
  Designed by A.com