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まるで夢を見る者のような、
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※GOネタ



「もう、グラウンドは見ないのか」
「……半田くん、いないから」

初恋は実らない。
そんなジンクスが嘘だったら、と何度思ったか。

「遠距離で自然消滅。なんだか、半田くんっぽいよね」
「……お前」
「ねえ、鬼道くん」

振り向く笑顔は、ひどく切ない。

「ケーキ。サッカー部のみんな分あるから、持って行ってあげて」
「お前は、行かないのか?」
「半田くんのいないグラウンド、見たくないから」






こんな感じな10年後。
きっと半田はサッカーに熱中しすぎて別れるか、サッカーやめて別れるかする。
私の中では高校か大学で出会った人と結婚してると思う。中学は絶対にない(笑)

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「この間さ、すっごくかっこいい人みかけちゃってさ」
「え、どんな人? ココとかナッツみたいな人?」
「あそこを比較対象にするのは反則よ、のぞみ。でも、あの二人と並んでもいけるかも」
「へぇー!」

りんが楽しそうに言えば、のぞみも興味深いように返事をする。話題についていけない私は、「そうなんだ」と曖昧に返事を返す。

「あー! わたし、おつかい頼まれてたあ! 二人とも、先に帰ってていいよ!」

突然大きな声を出したのぞみは、「ごめんね、バイバイ!」と手を振って走り去った。そんなのぞみをみて、りんが呆れたようにため息を吐き出した。

「のぞみー、転ばないでよー! 全く、危なっかしいんだから」
「本当ね」

笑いながら言うりんにつられて、私もつい、笑ってしまう。のぞみを見ていると、そんなふうに笑えるから不思議だ。
不思議ついでに、私はりんに尋ねてみた。

「ねえ、りんはどうしてかっこいい人が好きなの?」
「えっ?!」

尋ねた瞬間、りんの顔が真っ赤になる。何故そんなにも驚いたような表情をしたのかわからない私は、首を傾げていた。

「どうして、って……嫌いなの、かっこいい人とか?」
「嫌いとかは思わないけど、りんがそこまで気にする理由がわからなくて」

りんは小さく「どうして、ねえ……」と呟いて頭をかく。困ったような顔を、していた。

「……ごめん」
「いや、謝ることじゃないって! 何て言うのかなあ……憧れ、みたいな?」
「憧れ?」
「そっちはないの?」

りんに尋ねられて、私は考える。
かっこいい人、の基準はいまいちわからないけど、ココやナッツはかっこいいとは、思う。でも、そこから憧れというのはないかもしれない。

「ねえ、恋とか、したことないの?」
「……恋?」

今まで触れ合った異性は、そんな対象でみるような人ではなかった。
私はあくまで組織の歯車の一つで、彼らも同様だった。少しでもその関係が崩れると、何かが消えてしまいそうな気すらした。
そんな私とは違って、りんは生き生きとしているような気がする。明るく元気で、のぞみだけでなく、私を含めるみんなを引っ張ってくれているような、太陽みたいな存在。

「恋をしたら、」
「ん?」
「私も、りんみたいになれるのかな」




恋したら変われるの?
(そのときのあの子の顔に)(一瞬心臓が強く拍動した)(私を見つめる瞳に)(やけに強い熱を感じて)

(それが、恋じゃない?)

(なんて口に出すことは)(できるはずもないけど)











まさかのりんちゃんさんフラグ/(^o^)\
ってかまだ明日もテストなのに何やってんの私/(^o^)\
一つ言い訳をするなら、前々から書いていてようやく書けた話なのです、これ。バレンタイン前から書いてたってのに今完全の私ェ……

※BLD注意








「あれ、仙蔵じゃん」

突然上から声がした。少し当たりを見渡した後、倉庫の屋根の上を見ると、へらりと笑う姿があった。

「眠れないのか?」
「ああ。それより、お前は?」
「月を見ながら一杯ね。一緒にどうだ?」

杯を見せながら、私に声をかける。仕方ない、と呟きながら、私は屋根の上に登った。

「仙蔵って結構呑める?」
「そこそこだな」

久しぶりに呑むな、と思いながら一気に呑み干す。隣から、「おぉ」と間抜けな声が上がった。

「呑むねぇ、仙蔵」
「そこそこと言ったはずだ」
「いや、いい呑みっぷりだ。もう一杯いくか?」
「そうする」

杯の中に入った酒が、ゆらゆらと月を映す。満月はいびつな形になっていた。

「いい酒だろ」
「ああ」
「月を見ながら、愛する人との酒なんて、俺は幸せ者だねえ」

不覚にも、その言葉に心臓の音が高まった。やつは、やはりへらりと笑っている。

「あ、仙蔵照れてる?」
「黙れ」
「可愛いなあ。やっぱり仙蔵は可愛いよ」
「お前の口はどうすれば塞がるか試してみようか」

私が言うと、奴は吹き出した。同時に、私も笑いがこぼれた。

「っははははは」
「何が可笑しいんだ、そんなに」
「仙蔵だって笑ってるじゃねーか」
「それは、まあな」
「あー、幸せだなあ」

月を見上げながら、奴は言う。きっと互いに酔っているんだ。火照る頬の言い訳を自分にそう言い聞かせ、私は月を映した酒を呑んだ。





月見酒の夜
(こんな風に二人で呑めるなら)(何か特別な酒の肴とか)(特別な風景だとか)(そんなもんはいらないんだ)
(こんな風に二人で呑めるなら)(ただ隣にいるだけで)(酒はこんなにも)(幸せな味になる)















真綾×仙蔵
久しぶりに真綾と仙蔵の話が書けて満足です。
元ネタは学校行く途中にある商店街の吊り下げられてる川柳から。とても素敵な句でした。
もちろんですが未成年の飲酒はイクナイ(・A・)


練習の休憩時間、ささやかな楽しみとなっているのは彼女の手作りお菓子だったりする。

「みんな、お疲れさま。今日はみかんゼリーだよ」

にこり、と微笑む彼女を見て、一瞬胸が高鳴った。

「……風丸、どうした?」

目の前に円堂の顔が現れて、ぼんやりした意識がはっと覚醒した。

「え、いや」
「早く行かないと、なくなるぞ?」
「あ、ああ」

円堂は歯切れの悪い俺のほうを不思議そうに見ながら、先に彼女のもとに向かった。
彼女は丁寧に一人ひとり手渡しをしている。にこりと微笑む彼女を見て、思考が止まりそうになる。

「風丸くん?」
「えっ、あ」

先ほどの円堂と同じような、不思議そうな顔を浮かべて首を傾げている。俺に渡そうとしているゼリーを手に持ったまま、俺を見つめていた。

「体調悪い? ぼんやりしているみたいだけど…」
「いや、全然、なんでもないから。ちょっと暑いから、ぼーっとしただけ」

俺が言うと、「そう…?」と首を傾げたあと、何かを思い出したかのように頷いて、持っていたゼリーを置いてどこかに行った。

「はい、冷凍みかんゼリー!」
「え?」

どこからともなく彼女はそれを取り出し、俺に差し出していた。

「暑いときは冷たいものに限るよね! 本当はみんな分用意したかったんだけど、全部凍らなくて…」
「でも、何で俺に…?」
「暑くてぼーっとしてるんでしょ? これ食べて、シャキッとしてね」

手渡されたカップはとても冷たくて、ぼんやりとしていた頭がはっと目覚めたようだった。

「みんなには内緒、だよ」

小さく囁いた声に、俺は頷くしか出来なかった。





恋は冷凍みかんゼリー
(また頭がぼんやりする)(冷たい刺激が頭をつつくのに)(彼女を見てるとまた、頭が)(みんなのみかんゼリーとは少し違う)(俺だけの特別で)(頭がまた火照るようだ)
















冷凍みかんゼリーはおいしいと思う(主張)
そんなわけで風丸→まゆき。
風丸はなんとなくまゆきが気になっていればいいと思います。そしてみかんが好きだと嬉しい(笑)

※若干百合要素有り

[あ、もしもし? 帝人くん、起きてる?]

チャットで他愛もない話をしていたとき、携帯の着信音が鳴り響いた。普段はメールばかりを受信する携帯に、珍しく電話がかかってきたから、少し驚きながらも電話に出た。

「起きてるけど……どうしたの、こんな時間に?」
[いやあ、明日の時間割りの変更、何があったかなって]
「時間割り?」

そういえばあったな、と思いながら鞄から手帳を探す。

「ええっと、一限と四限が入れ替わっただけだよ」
[そっかあ、ありがとう!]
「あの……はねみさん」
[ん?]

電話を切られる前に、僕は彼女の名前を呼んでいた。

「その……、どうしてわざわざ電話で聞いたの?」
[え?]
「あっ、いや、これぐらいのことなら電話じゃなくてもメールでいいんじゃないかな、って……」
[んー、あたしメール苦手だから]

と、彼女はあっさりと答えた。

[っていうかネット苦手なの。文面のみっていうのが、どうも苦手で]
「文面、のみ」
[そう。だから、チャットとかも苦手なんだよねえ]

そう言われて、僕は視線をパソコンに向ける。電話で抜けると言っている間にも会話は進んでいた。

「そうなんだ……」
[あ、帝人くんってチャットとかする人?]
「ああ、うん……まあ……」

むしろそっちが主流、とはなんとなく言いづらかった。

[まあ、人それぞれだよねー]
「あの、あと」
[うん?]
「どうして、園原さんじゃなくって僕に連絡したの?」

本当は、そっちを先に訊きたかったのだけれど、よけいなことを言ってしまっていた。

[だって杏里ちゃん、寝てるかもしれないじゃん]

当たり前のことのように彼女は答えた。
やっぱり、そんな理由か。
そう思ったとき、僕は一体何に期待していたのかと思った。

[夜遅くごめんね。じゃ、おやすみ]
「うん、おやすみ」
[また明日]

明るい声。
ぶつり、と電話の切れる音。
プー、プー、プー、と虚しい音。

「何期待してたんだろ」

僕は園原さんが好きで、
はねみさんは園原さんが好きで。

「何悩んでるんだろう、僕」

これは文字だけでは伝わらない、感覚だった。





Calling
(僕は何を期待してたんだろ)(期待も何もないのに)(彼女に何を思っているわけでもないのに)(なんで、なんで)(なんで電話されたんだろう)














帝人→はねみ?
でも私の中の帝人くんは杏里ちゃんゾッコンラブだと思ってます。
だからちょっと戸惑ってる感じの帝人くんです。
はねみははねみで杏里ちゃんのことしか考えずに行動してます。だってはねみは帝人の思いに気づけない鈍感な子ですから(笑)
プロフィール
HN:
桃月
性別:
女性
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