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まるで夢を見る者のような、
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練習の休憩時間、ささやかな楽しみとなっているのは彼女の手作りお菓子だったりする。

「みんな、お疲れさま。今日はみかんゼリーだよ」

にこり、と微笑む彼女を見て、一瞬胸が高鳴った。

「……風丸、どうした?」

目の前に円堂の顔が現れて、ぼんやりした意識がはっと覚醒した。

「え、いや」
「早く行かないと、なくなるぞ?」
「あ、ああ」

円堂は歯切れの悪い俺のほうを不思議そうに見ながら、先に彼女のもとに向かった。
彼女は丁寧に一人ひとり手渡しをしている。にこりと微笑む彼女を見て、思考が止まりそうになる。

「風丸くん?」
「えっ、あ」

先ほどの円堂と同じような、不思議そうな顔を浮かべて首を傾げている。俺に渡そうとしているゼリーを手に持ったまま、俺を見つめていた。

「体調悪い? ぼんやりしているみたいだけど…」
「いや、全然、なんでもないから。ちょっと暑いから、ぼーっとしただけ」

俺が言うと、「そう…?」と首を傾げたあと、何かを思い出したかのように頷いて、持っていたゼリーを置いてどこかに行った。

「はい、冷凍みかんゼリー!」
「え?」

どこからともなく彼女はそれを取り出し、俺に差し出していた。

「暑いときは冷たいものに限るよね! 本当はみんな分用意したかったんだけど、全部凍らなくて…」
「でも、何で俺に…?」
「暑くてぼーっとしてるんでしょ? これ食べて、シャキッとしてね」

手渡されたカップはとても冷たくて、ぼんやりとしていた頭がはっと目覚めたようだった。

「みんなには内緒、だよ」

小さく囁いた声に、俺は頷くしか出来なかった。





恋は冷凍みかんゼリー
(また頭がぼんやりする)(冷たい刺激が頭をつつくのに)(彼女を見てるとまた、頭が)(みんなのみかんゼリーとは少し違う)(俺だけの特別で)(頭がまた火照るようだ)
















冷凍みかんゼリーはおいしいと思う(主張)
そんなわけで風丸→まゆき。
風丸はなんとなくまゆきが気になっていればいいと思います。そしてみかんが好きだと嬉しい(笑)

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