まるで夢を見る者のような、
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中司こころ。またの名を、
「我が名はセンティ、ラビリンス総統メビウスが僕」
そう、これが私。私は『読者モデル』の中司こころと『ラビリンス幹部』のセンティという二つの顔を持っている。誰も知らない、二つの顔。
誰も、知らない。
*
さて、その日も中司こころとしてモデルの仕事をしていたのだが、
「ナキワメーケ、我に使えよ!」
……何か出たあああああ!!
そこに現れたのは撮影用のカメラに憑依したナキワメーケとその上に立っているウエスターだった。ものすごく、楽しそうな顔してる。
「っはははは! さあ泣け、喚け!」
ああ、そんな作戦だからいつもゲージが大して溜まらないのね。納得。
そしてスタジオ周辺は騒がしくなって、スタッフやモデルが逃げ始める。もちろん、それに倣って私も逃げようとしたんだけど、
「逃がすか、そこの女ぁ!」
「え?!」
ウエスターは突然私の腕を掴み、体を引き寄せた。嘘嘘嘘?!
「何で?!」
「貴様からありったけの不幸を頂こうと思ってな」
最悪。こんな所で、こんな馬鹿と会うなんて!
「私は、この程度じゃ不幸にならないんだからね!」
「そんなこと言っている余裕があるのか?」
っていうかラビリンスから不幸手に入れてゲージ溜まるのかしら? まあ、いいけど。
「きゃー。だーれーかー」
「嫌に棒読みな叫びだな」
「心の底から叫んでますよ? いーやー、だーれーかー」
「……」
やっぱり怪しまれたか。どう誤魔化そうか考えたその時
「そこまでよ、ラビリンス!」
「出たなプリキュア!」
おお、ナイスタイミング。初めてプリキュアに感謝なんてしちゃったわ。
「助けてープリキュアー」
「こころ、っさん?!」
キュアベリーが私を見たとき、一瞬戸惑ったような声を上げた。そんなに人質をとるって驚くようなこと?
「絶対許さないわ!」
と、プリキュアたちが走り出す。その瞬間、ウエスターが私を掴んでいた腕を離した。……馬鹿ああぁ!!
そんなこんなしてたら、ウエスターとプリキュアたちが戦い始めていた。今のうちに逃げるが勝ち!
*
「で、対してゲージが溜まらなかったね。ウエスターくん」
「どうしてあんなに出ているのにゲージが溜まらないのか不思議ね」
館に帰ってきたウエスターをサウラーとイースが手厚い歓迎をしていた。今にも泣きそうな顔のウエスターから今日もプリキュアに負けたことがよくわかった。
「どうしてそんなに負けれるか、本当に不思議」
「五月蝿いぞ、センティ」
「君がそんなこと言える立場なのかい」
ニヤリとサウラーが笑いながらウエスターに言う姿は見ていて面白かった。うん、ウエスターって面白いわ。
「メビウスさまに何て報告しましょうか」
珍しくイースも話に便乗している。けれど、視線は相変わらず本に向けられたままだけど。
「あのモデルさえ逃げなければ……っ」
ウエスターが悔しそうに呟いたが、それってあんまり意味ないと思う。
だってそれ、私だし。
……ただ私はそのことを言うつもりはない。
敵を欺くには
(もうちょっと賢い作戦立てたら、ウエスター?)(う、五月蝿い!)(人がアドバイスしてるのに、受け入れられないって嫌ね)(うぐっ……)(まあ、ウエスターくんには理解し難いんだろうね)(アドバイスもアドバイスとして受け入れられないんでしょう)(サウラー……イース……!)(ざまあウエスター)(っ~……、センティー!!)
ラビリンスメイン話。
こころ=センティなのはプリキュアどころかラビリンス同士も知りません設定。
ついで言うとセンティは誰がプリキュアか知らないです。
彼女にとってプリキュアって存在は眼中にないから。あくまでセンティの目的は不幸を集めることだけですから!
とりあえずウエスターかわいいよウエスター。
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