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まるで夢を見る者のような、
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BLD風味注意













「助けて」

泣きつくような声で、真綾は私に言った。何言っているんだ、こいつは。
突然小松田さんが「大変なんだよ!」と私を引っ張り、事務員が普段生活する部屋に連れて行くと、そこには布団で寝ている真綾がいた。

「真綾さんしっかりしてください! ほら、立花くん連れてきましたよ!」
「……小松田さん、これは」
「実は真綾さん、夏風邪ひいちゃったみたいで」

真綾が夏風邪をひいたら、何故私が呼ばれないといけない?

「助けて」

その時、掠れて泣きそうな真綾の声が聞こえた。一瞬、誰のものかわからないくらい小さくて掠れたものだった。

「仙蔵、助けて。死んじゃう」
「……は?」

何を言っているんだ、こいつ。夏風邪ごときで死ぬはずがないだろう。

「わ、わたし新野先生呼んできます!」

小松田さんがそう言って部屋を出て行った。最初から私を呼ぶより新野先生を呼んだ方がよかったのでは、と思う。
そして、真綾は

「熱い。助けて」

さっきからうなされていて、流石に立って見ているのも悪い気がしたので、私は真綾の布団のそばに座った。

「熱があるのか」

真綾の額にふれると、私のそれよりも熱を帯びていた。またいつもの冗談か何かかと思っていたのだが、この熱は本当らしい。手を離そうとしたとき、真綾の掠れた声で「待って」と制止された。

「仙蔵の手」
「え?」
「仙蔵の手、冷たい」

顔を真っ赤にさせた真綾が幸せそうに笑う。

「もうちょっと、置いて」
「あ、ああ」

どうも病気で弱っていると、いつものように扱えない。私の手はしばらく真綾の額に触れたままだった。




夏風邪をひくなんとか
(仙蔵、仙蔵)(何だ)(しばらくこのままがいい)(そうか)(あー、熱いなあ)(……そうだ、な)












真綾と仙蔵。
時々見せる仙ちゃんの優しさは貴重\(^o^)/
そして真綾が珍しく弱ってます(笑)いや、いつも見ているところで熱出したら相手が優しくなるよって展開を見て触発されました。まいった。
しかし小松田さん早く新野先生連れてきなよ! 真綾が仙ちゃんおそry
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