まるで夢を見る者のような、
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「あついな、イース」
「そうね」
「あついな、サウラー」
「そうだね」
「あついな、センティ」
「……その発言が暑苦しいわよ!」
しばらく黙っていたけれどウエスターがあついあつい五月蝿くて流石に私も腹が立ってウエスターに怒鳴った。イースが眉間に皺を寄せて本に視線を落とし、サウラーはにやりと私とウエスターを見て笑った。
「暑い暑いってわかってるわよ! あんたが言えば言うほど暑くなるのよ!!」
「センティ、あなたも暑いわ」
と、イースに言われて私は口を閉じる。しかしウエスターはぼんやりした顔で私を見ている。暑がっていたが、確かに顔も赤い。
「どうしたんだい、ウエスター? やけに顔が赤いけれど」
「あつ、い」
サウラーが尋ねると、ウエスターは突然、倒れた。
「ウエスター?!」
*
とりあえず倒れたウエスターは私たちによって寝室に運ばれた。やけに汗が出ているし、息づかいも荒い。
管理国家ラビリンスと言えど、体調までは管理できるはずもなく、時折国民でも体調を崩すことだってある。けれど、まさかあの体力バカがこんな風に倒れるとは思わなかった。
「風邪だね」
「……は?」
ウエスターの部屋に入って様子を見ていたサウラーが一言。風邪、というのは
「冬場によくはやる、あれ?」
「ああ」
「……何で」
「ウエスターだからでしょう」
イースがどうでもよさそうに言い放った。
「どういう意味?」
「つまり、高いところが好きなあれと同じってわけだね」
「そういうこと」
サウラーは理解しているらしいけれど、高いところが好きなあれ? って、あ。
「バカ」
「オレはバカじゃない!!」
部屋の外で話していたのに聞こえるなんて地獄耳。三人で顔を合わせてはあ、とため息をついた。
「とりあえず僕は不幸を集めに行くよ」
「私も予定があるから」
「……え?」
サウラーもイースも出るなんて、嫌な予感。
「センティ、あなたは予定ないって言っていたわね」
「ウエスターの世話、任せたよ」
サウラーの一言は、やけに楽しそうだった。
*
「ウエスター、入るわよ」
小さくノックをして、私はウエスターの寝室に入る。返事がないと思ったらウエスターはしっかり目を閉じて眠っている。せっかくお粥作ったのに。
「ま、熱いから食べれないわよね」
とりあえずベッドの側にある椅子に座る。寝ているからか、息づかいが先ほどよりも落ち着いている。
「……熱い?」
顔は真っ赤なままだから、熱いのだろう。額に乗せているタオルを取ると熱を帯びていた。机の上にある洗面器の水に浸してタオルを冷やす。それをウエスターの額に乗せるとウエスターの顔が少し楽になったように見えた。
するとウエスターの目がうっすらと開かれた。
「大丈夫?」
「う……」
「あんた、お腹はすいてない?」
「たべ、る」
と言ってウエスターは体を起こした。私は蓮華にお粥を掬ってウエスターの前に突きつける。
「食べなさい」
「……もう少し優しくしてほしいな」
「自分の体調管理ができないくせに」
「五月蝿い」
不機嫌そうにそう呟いて、ウエスターは突きつけた蓮華を口の中に入れた。しばらく口をもぐもぐと動かして、ウエスターは私を見て言った。
「まずい」
「……」
気づいたら私はお粥の入った鍋を掴んでいた。
夏風邪をひくなんとか
(このバカー!!)(うあっ?!)
夏風邪シリーズ第二段。
ウエスターは夏風邪をひくなんとかだと思います(笑)
なんかセンティがウエスター寄りになってきている件。予定なら南とみきたんのはずなのに…………!
「そうね」
「あついな、サウラー」
「そうだね」
「あついな、センティ」
「……その発言が暑苦しいわよ!」
しばらく黙っていたけれどウエスターがあついあつい五月蝿くて流石に私も腹が立ってウエスターに怒鳴った。イースが眉間に皺を寄せて本に視線を落とし、サウラーはにやりと私とウエスターを見て笑った。
「暑い暑いってわかってるわよ! あんたが言えば言うほど暑くなるのよ!!」
「センティ、あなたも暑いわ」
と、イースに言われて私は口を閉じる。しかしウエスターはぼんやりした顔で私を見ている。暑がっていたが、確かに顔も赤い。
「どうしたんだい、ウエスター? やけに顔が赤いけれど」
「あつ、い」
サウラーが尋ねると、ウエスターは突然、倒れた。
「ウエスター?!」
*
とりあえず倒れたウエスターは私たちによって寝室に運ばれた。やけに汗が出ているし、息づかいも荒い。
管理国家ラビリンスと言えど、体調までは管理できるはずもなく、時折国民でも体調を崩すことだってある。けれど、まさかあの体力バカがこんな風に倒れるとは思わなかった。
「風邪だね」
「……は?」
ウエスターの部屋に入って様子を見ていたサウラーが一言。風邪、というのは
「冬場によくはやる、あれ?」
「ああ」
「……何で」
「ウエスターだからでしょう」
イースがどうでもよさそうに言い放った。
「どういう意味?」
「つまり、高いところが好きなあれと同じってわけだね」
「そういうこと」
サウラーは理解しているらしいけれど、高いところが好きなあれ? って、あ。
「バカ」
「オレはバカじゃない!!」
部屋の外で話していたのに聞こえるなんて地獄耳。三人で顔を合わせてはあ、とため息をついた。
「とりあえず僕は不幸を集めに行くよ」
「私も予定があるから」
「……え?」
サウラーもイースも出るなんて、嫌な予感。
「センティ、あなたは予定ないって言っていたわね」
「ウエスターの世話、任せたよ」
サウラーの一言は、やけに楽しそうだった。
*
「ウエスター、入るわよ」
小さくノックをして、私はウエスターの寝室に入る。返事がないと思ったらウエスターはしっかり目を閉じて眠っている。せっかくお粥作ったのに。
「ま、熱いから食べれないわよね」
とりあえずベッドの側にある椅子に座る。寝ているからか、息づかいが先ほどよりも落ち着いている。
「……熱い?」
顔は真っ赤なままだから、熱いのだろう。額に乗せているタオルを取ると熱を帯びていた。机の上にある洗面器の水に浸してタオルを冷やす。それをウエスターの額に乗せるとウエスターの顔が少し楽になったように見えた。
するとウエスターの目がうっすらと開かれた。
「大丈夫?」
「う……」
「あんた、お腹はすいてない?」
「たべ、る」
と言ってウエスターは体を起こした。私は蓮華にお粥を掬ってウエスターの前に突きつける。
「食べなさい」
「……もう少し優しくしてほしいな」
「自分の体調管理ができないくせに」
「五月蝿い」
不機嫌そうにそう呟いて、ウエスターは突きつけた蓮華を口の中に入れた。しばらく口をもぐもぐと動かして、ウエスターは私を見て言った。
「まずい」
「……」
気づいたら私はお粥の入った鍋を掴んでいた。
夏風邪をひくなんとか
(このバカー!!)(うあっ?!)
夏風邪シリーズ第二段。
ウエスターは夏風邪をひくなんとかだと思います(笑)
なんかセンティがウエスター寄りになってきている件。予定なら南とみきたんのはずなのに…………!
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