まるで夢を見る者のような、
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「伊作、」
「ああごめんね留さん。もう少ししたら灯り消すから」
「いや、そうじゃない。……寒くないか?」
「そうかな? まあ、もう秋だし、涼しくなったよね」
「なんかそうじゃない……気がする」
「じゃあ、わたし戸閉めてきます」
「ああ、ありがとう。どう、留さん?」
「んー……やっぱり寒いんだよな……」
「寒い寒いってさ…、どんな寒さなの?」
「何て言うんだ? こう、背中にぞくりとくる感じ」
「う……私も今、きたかも。ぞくっ、って」
「大丈夫ですか? あ、毛布出してきます!」
「本当にすまないね」
「助かる」
「はい、どうぞ」
「ありがとうな」
「うん、本当にありがとう」
「いえ! 私が出来るのって、これぐらいですから!」
「でも何でこんなに寒いんだろうね」
「さあ……何だろうな、この寒さ」
「もしかしたら、風邪かも!」
「いや、それとは違う寒さかな」
「何だ……あの、ほらあれだ」
「あれ?」
「……墓場とかさ、行ったときの」
「……えぇ?」
「でも、そんな感じじゃないか?」
「まあ、言われたらそうかも」
「じ、じゃあこの部屋にい、いるとか?!」
「えっ、えぇえ?!」
「伊作! 声が大きい!」
「だ、だって、幽霊なんて!」
「いや、でもそれは……ん?」
「どうしたの、留さん」
「なあ、戸を閉めたのは……伊作、か?」
「え……?」
「それに、毛布も……」
「戸も毛布も、わたしがしましたよ?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「お前、誰だ……?」
「え? わたし、カナデと申します」
「……どこから、入ってきたんだい?」
「えぇと、少し前からです」
「その、カナデ……お前、足は?」
「足?」
「君の足……半透明じゃ、ないか……?」
「あ。わたし、幽霊でしたね」
直後、六年生の長屋から二つの悲鳴が上がったのは言うまでもない。
ウェルカム幽霊!
(これが俺たちと彼女との出会いだった)(この後の話はまた、別)
幽霊夢主ちゃん初登場! これからよろしくしてやってください(笑)
基本にこんなマイペースで、ほのぼのを書いて行きたいなあと思います。
幽霊って……とうとうやっちまった気がするZE☆私の得意ネタ!
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