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まるで夢を見る者のような、
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※病んでます注意報
※インフィニティがラビリンスに渡ってます





恨んでやる

私から全て奪ったお前を

恨んでやる



「恨んでやる」

センティは唸る。首に手をかけられ、何もできない。いや、抵抗はできるのだけれど、できなかった。その瞳は、僕を見つめていて、貫かれそうだった。貫かれていた。

「恨んでやる、お前のこと」
「どうして」
「お前は、私からすべてを奪った」
「僕が、君の?」

センティのすべて。
灰色のくすんだ瞳、白い首筋。細い指は僕の首を捉えて離さない。

「私が、私の手で、メビウス、さま……!」

突然、彼女の瞳から涙が落ちた。ポロポロと、落ちる涙を、受け止めたい。手は、動かない。

「お前を……恨んで……っ、恨んでやる……!」

手に力が入る。

「君になら殺されてもいい」
「……何を」
「僕がメビウス様にインフィニティを渡したからだろう?」

彼女がメビウス様に依存していたことは知っていた。彼女がメビウス様のために不幸を集めていたことも知っていた。
けれど僕はインフィニティを手に入れ、それをメビウス様に献上した。
僕が僕自身の立場を高めるため。地位を高めるため。僕自身のため。

「君は、メビウス様のためだろう」
「何がだ」
「不幸を集めていた理由」
「そうだ」
「僕は違う。僕は自分のためだ。だから、君に殺されてもいい」

僕が言うと、彼女は歯を食いしばった。

「ふざけるな……」
「え?」
「ふざけるな……、ふざけるな!」

首に強い力が加わる。苦しい。

「っ、あ!」
「お前、お前……! 私の、私のメビウス様を!!」

力が、抜けた。自分が死んだのか、と思ったが、違った。彼女の手から力が抜けたのだった。

「ごめ……ん……なさい」
「……え」

涙をこぼしながら、センティは謝る。呟くように唸るように、低い声でぶつぶつと謝罪の言葉を述べる。

「違う……違うの、あなたが悪くなんて、ないのに……」

それから、両手を顔に当てて、嗚咽を零した。僕は起き上がり、彼女の肩を抱く。

「ごめんね、センティ」
「恨んでやる……! お前みたいに自分のことばかり……!」
「それは、事実だ」
「なのに、なのに! 私は、お前を……!」

殺せなかった、と彼女は泣く。

「恨んでやる」



私から全てを奪った私を


恨んでやる



無限大の憎しみ
(恨みたくなんてない)(殺したくなんてない)(けれど)(私は大切なものを奪われた)(それが憎いのに)(なのに、私は、)










センティ病み話。先にインフィニティをサウラーが渡したらこんなふうになりそうです。
サウラーは普通にセンティのこと好きだといい。ヤンデレじゃないほうが私の好みです。で、どちらかと言うとセンティの方がヤンデレ。
次は美希たん編書きたい……
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