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まるで夢を見る者のような、
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「ねぇ、本当にあんた幽霊なの?」

きり丸はじっと彼女を見つめて尋ねる。しばらく彼女はぱちぱちとまばたきをしたが、「ああ」と言って頷いた。

「うん。私、幽霊だよ」
「嘘みたい。なんか、あんたって幽霊ぽくない」
「そうかな」
「そう」

強く肯定するきり丸に彼女は苦笑いを浮かべる。半透明の彼女をまっすぐ見つめるきり丸の顔は、いつもより真剣だった。

「ねぇ」
「何、きり丸くん?」
「俺の父さんと母さん、見たことある?」

きり丸の問いに、彼女はまたぱちぱちとまばたき。きり丸は言葉を続けた。

「俺の父さんと母さんもあんたみたいに戦で死んだんだ、俺が小さい頃に。もしかしたら、幽霊になってるかもしれないって思って」

最後の方は声が小さくなりながら、きり丸は言った。しばらく二人の間に沈黙が続くと、きり丸はへらりと笑って「何言ってるんだろうな」と明るく声をあげた。

「ごめんなさい、変なこと訊いて」
「きり丸くん……」
「ただ、どんな幽霊がいるのか知りたくて」
「ごめんね」

しゅんとした彼女の顔を見て、きり丸は少しだけ、泣きそうな顔で、笑った。



ねぇ、知ってる?
(何であんたが泣くんだよ)(だって、私、何にも出来ないから)(何か俺が泣かせたみたいじゃん、やめてよ)(でもぉ……!)(本当にあんたって、幽霊ぽくないよな)













カナデちゃんときりちゃん。
とりあえずきりちゃんの両親ネタがしたかった結果です。
きっときりちゃんは二人だけの時はカナデちゃんを名前で呼ばないと思われる。むしろ呼んでほしくない(笑)

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