まるで夢を見る者のような、
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「あ、雪だね」
小々田先生が、少しだけ楽しそうに言った。放課後の教室、みんなで掃除をしている時に、窓の向こう側に白いものが見えた。
「……そうですね」
私が返事をすると、先生は不思議そうな顔をして私を見る。
「雪、嫌いなんだ?」
「嫌い、です」
窓の向こうにちらちらと雪が降る。
「えー、何で雪が嫌いなの?」
と、のぞみが意外そうな声をあげた。
「雪って楽しくない? ほら、白くて綺麗だし、雪遊びとか楽しいよね!」
「……そう」
そうなんだ、としか私には言えなかった。雪は、あの人の肌の色によく似ているから、嫌いだ。
「でもこのままなら雪、積もるかなあ」
「多分、積もるだろうね」
「やったあ! じゃあ、雪積もったら一緒に遊ぼうよ」
楽しそうにのぞみが言うけれど、やはり心は乗らない。
「雪合戦とかー、雪だるまとかー、いーっぱい積もったら、かまくらとか作りたいなあ!」
「うーん、かまくら作るほどは積もらないだろうなあ」
「えー……でも、一緒に遊ぼうよ。ねっ」
私の手を握り、のぞみが言った。
「絶対、雪のいいところも見つかるよ」
「いい、ところ」
雪はあの人に似ているから嫌い。
雪はあの時を思い出すから嫌い。
けれど、手を握るのぞみの手の暖かさに気づけたのはきっとこの雪のおかげ。
「……そう」
そうだね、と私はのぞみの手を握り返した。
サムデイ・イズ・スノーイング
(雪の日は嫌い)(あの人の事を思い出すから)(でも今は、)(みんながいるから)(雪の日も嫌いじゃない)
(この暖かさが)(あるから)
雪が降りそうな窓の外を見ながら。
ココとみせかけまさかののぞみオチ(笑)
あきかちゃんは雪が嫌いという話です。もちろんあの人=カワリーノさんです。
カワリーノさんって雪っぽいよね。冷たいし、肌白いし。
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