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まるで夢を見る者のような、
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※BLD風味注意
















「どうかね、社会見学は」

年末ということで、実家に帰っている俺だが、本当は実家なんかにいたくはなかった。六年生はほとんど学園に残っていて、もちろん仙蔵も残っている。

「まあ、上手くやってます」

じいさんの問いかけに適当に答えれば、「そうかね」と微笑み茶をすすった。俺も目の前の茶菓子を頬張る。

「ところで」
「んぁ」
「家はどうするのかね」

その言葉に、口の中の茶菓子の味が消えた。じいさんの顔からも笑みが消えていた。

「家、ですか」
「そうだ。お前ももう十八、そんなにふらふら出来る歳ではないぞ」

だから実家は嫌いなんだよ。そう思っても、実際そうだから、反論出来ない。
俺はいずれこの家を継がないとならない。名家と呼ばれるこの家を。

「……まだ、わかりません」
「何が解らないと言う? お前が家を継ぐことは決まっているのだ。他に何を知る必要がある?」

俺が家を継ぐこと。それは幼いときから叩き込まれて、当たり前だと思っていた。けれども、

「俺は、家を継ぐ気はありません」
「……何?」
「何も知らぬまま、家を継ぐ気はありません。今の俺は、家を継ぐに相応しいとは思えません」
「なら、何故忍術学園にこだわる?」

あの時までは、全て家が用意したものに従い、全て家の望むままにしていた。きっと結婚も、見合いか何かで決まるのだと思っていた。
けれども、あの時、俺は恋に落ちた。

「あそこには、俺の」

忍術学園で出会ったのは、家が用意したものではない。初めて、俺は人と関わった。

「俺の、大切な人たちがいるのです」





家と私
(だから実家は嫌いだ)(こんな風に重苦しくなるから)(仙蔵に会いたい)(みんなに会いたい)(会ってバカしたい)(早く会いたい)











暗めの真綾。
実はいろいろ家と上手く行ってない子なのです。
真綾は今まで家の言われるままにしてきたので、忍術学園での生活は素の真綾が出ていると思います。
だから仙蔵にダイレクトに告っちゃうのよ(笑)



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