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まるで夢を見る者のような、
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※ウエスター死ネタ













ああ、もう体が動かない。
きっとこれが『死』なのだろう。怖い、というよりは、漠然とした何かがあった。
ああ、俺はもう死んでしまうのか。
イースのように、死の宣告があったらもっと楽だったのだろうか。それとも、余計怖くなるのだろうか。

「ウエスター!」

センティの声が聞こえた。

「ウエスター、しっかりして! ウエスター!」
「セン……ティ……っ」
「しっかりして、ウエスター!」

世界が霞んで見える。なんだ、なんだか、苦しい。目が、熱い。

「ウエスター……泣いてるの……?」
「泣いて……いる、だと……?」

頬を伝う冷たさは、涙だったのか。今まで涙なんて知らなかったから、てっきり目から出る汗かと思っていたのに、全然違うじゃないか。
きっとこれは、死への恐怖だったんだ。

「死にたく……ない」
「え……?」
「俺は、死にたくない、んだ」
「あっ……当たり前じゃない!」
「でも、多分……無理だ」

世界が霞む。センティが泣きそうな顔をしている。

「せめて……」
「何……?」
「会いたかった」
「誰に……」
「モデル、女に」

何故だろう。共に戦ったイースやサウラーじゃなく、ましてやメビウス様でもなく、あのモデル女だった。

「モデル女って、」
「中司……こころだったか……」
「何で……?」
「わからない……けれど、会いたい……」
わからないけれど、無性に会いたいんだ。

「……わかった」

センティがそう言って、拳を合わせる。

「スイッチ・オーバー」

目の前に現れた姿は、俺の求めていた姿だった。

「……そうか」

俺が手を伸ばし、中司こころの頬に触れるとその瞳から涙がこぼれた。

「お前が、泣くなんてな……」
「私が……?」
「何でだろうな、嬉しいんだ」

俺の手に、中司こころの手が重なる。

「センティ……」
「ごめん、ウエスター……!」
「お前は、何も悪くないさ」
「ウエスター!」

泣き叫ぶ中司こころに、センティに、言葉が出ない。

「…………」
「ウエスター、しっかりして!!」
「……すまない」
「ウエスター!」
「…………」


「ありがとう」





最期に、君に
(この言葉を伝えられてよかった)(君に伝えられてよかった)(君に会えてよかった)
(俺は、今)(とても幸せだ)















西→こころ
新鮮が最終回近いってことで、暗いネタばっかりだ……!
いや、でも明るいネタも書きたいんだよ。ポジティブなネタも書きたいんだよ!!
センティも少しはラビリンスのメンバーに仲間意識を持ち始めたんだよ、って話です。

頼むからウエスターもサウラーも生きていて欲しい……!
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