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まるで夢を見る者のような、
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「カワリーノさん!」

わたしが名を呼ぶと、カワリーノさんが少しだけ微笑んでわたしを見てくれた。

「どうしたのですか、アキヤさん」
「先日の件、報告に来ました!」
「先日……?」

どうやら何のことか解っていないカワリーノさん。困ったような顔をするカワリーノさんも素敵。けれど、そんな浮かれた気持ちも次の言葉で消える。

「ああ、先日アキカさんが優秀な成績を収めた、あの件ですか」

アキカ。
わたしの双子の姉で同僚の女。
カワリーノさんに気に入られた女。

「え、ええ……」
「おや、それで何か報告する事でも? アキカさんからは何も聞いていませんが」

何故、あの女なんだ。

「実は、パルミエの王子が逃亡した場所がわかりました」
「ほう?」
「先日襲撃した国で目撃情報が」
「それは良い情報ですね」

にこり、と微笑みカワリーノさんがわたしの頭に手を乗せた。冷たいカワリーノさんの手が、心地いい。

「報告ありがとうございます、アキヤさん」
「はい!」

*

報告を終えたら足が軽い。カワリーノさんにも優しくしてもらえたし、嬉しいな。

「あ、アキカさん!」

後ろから声をかけられ振り向くと、そこにはブンビーがいた。やけににこにこしてるし、どうしたんだろう。

「ブンビー、何の用?」
「い、いやあ先日もお疲れ様でした!」
「ありがとう」

何で、急にわたしにそんな事言うのよ。いっつもアキカとお茶してるくせに。

「さすがアキヤさんですね! 優秀な成績をおさめられて」
「お世辞? 誉めても何もでないわよ」
「いえいえ! 本心です!」
「ありがとう」

見た目はわたしより年上なのに、必死に言う姿がなんだか可愛くて笑いがこぼれてしまった。

「そっ、そそそれで」
「うん?」
「今日、これから――」

と、そんなブンビーの後ろに、歩くカワリーノさんがいた。

「おち」
「あっ、ごめんブンビー! また今度! カワリーノさんー!!」




いくつかの愛!
(また言えなかった……!)(カワリーノさんー、お茶しませんかー?!)(アキカさんはどこにいますかね……)(……っ、なんか寒気が……)(アキヤさんー!)(カワリーノさんー!)(アキカさん……)(ぶ、ブンビーさん……!)











カオスなナイトメア(笑)基本は
ブンビー→アキヤ→カワリーノ→アキカ です。
ちなみに最後の(ブンビーさん……)は助けを求めるものであって、→ではありませんよ^^アキカさんは特に恋愛感情とか持たなさそうですし。
シリアスにする予定がギャグに……
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中司こころ。またの名を、

「我が名はセンティ、ラビリンス総統メビウスが僕」

そう、これが私。私は『読者モデル』の中司こころと『ラビリンス幹部』のセンティという二つの顔を持っている。誰も知らない、二つの顔。
誰も、知らない。

*

さて、その日も中司こころとしてモデルの仕事をしていたのだが、

「ナキワメーケ、我に使えよ!」

……何か出たあああああ!!
そこに現れたのは撮影用のカメラに憑依したナキワメーケとその上に立っているウエスターだった。ものすごく、楽しそうな顔してる。

「っはははは! さあ泣け、喚け!」

ああ、そんな作戦だからいつもゲージが大して溜まらないのね。納得。
そしてスタジオ周辺は騒がしくなって、スタッフやモデルが逃げ始める。もちろん、それに倣って私も逃げようとしたんだけど、

「逃がすか、そこの女ぁ!」
「え?!」

ウエスターは突然私の腕を掴み、体を引き寄せた。嘘嘘嘘?!

「何で?!」
「貴様からありったけの不幸を頂こうと思ってな」

最悪。こんな所で、こんな馬鹿と会うなんて!

「私は、この程度じゃ不幸にならないんだからね!」
「そんなこと言っている余裕があるのか?」

っていうかラビリンスから不幸手に入れてゲージ溜まるのかしら? まあ、いいけど。

「きゃー。だーれーかー」
「嫌に棒読みな叫びだな」
「心の底から叫んでますよ? いーやー、だーれーかー」
「……」

やっぱり怪しまれたか。どう誤魔化そうか考えたその時

「そこまでよ、ラビリンス!」
「出たなプリキュア!」

おお、ナイスタイミング。初めてプリキュアに感謝なんてしちゃったわ。

「助けてープリキュアー」
「こころ、っさん?!」

キュアベリーが私を見たとき、一瞬戸惑ったような声を上げた。そんなに人質をとるって驚くようなこと?

「絶対許さないわ!」

と、プリキュアたちが走り出す。その瞬間、ウエスターが私を掴んでいた腕を離した。……馬鹿ああぁ!!
そんなこんなしてたら、ウエスターとプリキュアたちが戦い始めていた。今のうちに逃げるが勝ち!

*

「で、対してゲージが溜まらなかったね。ウエスターくん」
「どうしてあんなに出ているのにゲージが溜まらないのか不思議ね」

館に帰ってきたウエスターをサウラーとイースが手厚い歓迎をしていた。今にも泣きそうな顔のウエスターから今日もプリキュアに負けたことがよくわかった。

「どうしてそんなに負けれるか、本当に不思議」
「五月蝿いぞ、センティ」
「君がそんなこと言える立場なのかい」

ニヤリとサウラーが笑いながらウエスターに言う姿は見ていて面白かった。うん、ウエスターって面白いわ。

「メビウスさまに何て報告しましょうか」
珍しくイースも話に便乗している。けれど、視線は相変わらず本に向けられたままだけど。

「あのモデルさえ逃げなければ……っ」

ウエスターが悔しそうに呟いたが、それってあんまり意味ないと思う。
だってそれ、私だし。
……ただ私はそのことを言うつもりはない。




敵を欺くには
(もうちょっと賢い作戦立てたら、ウエスター?)(う、五月蝿い!)(人がアドバイスしてるのに、受け入れられないって嫌ね)(うぐっ……)(まあ、ウエスターくんには理解し難いんだろうね)(アドバイスもアドバイスとして受け入れられないんでしょう)(サウラー……イース……!)(ざまあウエスター)(っ~……、センティー!!)









ラビリンスメイン話。
こころ=センティなのはプリキュアどころかラビリンス同士も知りません設定。
ついで言うとセンティは誰がプリキュアか知らないです。
彼女にとってプリキュアって存在は眼中にないから。あくまでセンティの目的は不幸を集めることだけですから!
とりあえずウエスターかわいいよウエスター。

「アキカさん」

名を呼ばれて、ただそれだけなのに、肩がびくりと震えた。振り向くと、そこにあの人がいた。

「カワリーノ、さん」
「どうされたのですか、アキカさん。そんな怖い顔をなさって」

私が嫌っていることを知っていて、この人は私に声をかける。どうして、私なんだろう。どうして、

「先日も絶望集め、お疲れ様でした。さすがアキカさん、素晴らしいですね」
「……ありがとう、ございます」

嬉しくなんてない。絶望を集める恐怖が日に日に私を責める。こんなの、もう耐えられない。もう、嫌だ。

「よろしければご一緒にお茶でもどうですか?」
「いえ、その……今は、そういう気分ではないので……」
「おや、そうですか。残念ですね」

全く残念そうにしていない様子で、カワリーノさんは言う。どこか楽しそうにも思えるような言い方で、恐怖を感じる。

「では、私はこれで。また、お茶しましょうね、アキカさん」

そう言ってカワリーノさんはその場から去った。
――またなんて、もう来ない。

「残念ですね、カワリーノさん」




仮面越しに笑う
(あなたと同じように)(私も仮面の向こうからあなたを見ている)(あなたには私の奥底を)(見られているような気がするから)











アキカさんとカワリーノさん。
アキカさんはかなりカワリーノさんが嫌い(?)です。でもカワリーノさんは心の奥底見てそうで怖いよね(笑)
とりあえずこのときのアキカさんはもうナイトメアをでるつもりでしたよ、と。


カメラのシャッター音。世界が一瞬白くなって、また元通り。あたしの視線の先には、そんな白と普通の世界を行く人がいた。



「こころ先輩!」



撮影の終わった先輩に声をかけると、先輩は撮影で疲れたはずなのにそんな様子も見せず、にっと笑った。あたしより年上のはずなのに、年下のように思わせるかわいい笑顔。



「ミッキーも今日撮影?」

「はい。先輩は何時くらいから入ってました?」

「あたしはー、多分三時間前くらいからかな」

「そんなに前から? お疲れ様です」

「ホントお疲れ様だよ~、あのカメラマンさん無茶振り多くてさ」



あたしが所属している雑誌で今人気の高い読者モデルのひとりである中司こころ。人気と言うこともあって撮影時間もやっぱり長い。でもやっぱり、疲れた様子はない。

モデルの先輩たちに対して確かに尊敬をしているけれど、特にこころ先輩はすごいと思う。きれいとかスタイルがいいとか含めて、かっこいいと思える。



「こころちゃーん、休憩終わりー」

「はあーい! じゃ、ミッキーも頑張ってね」



小さく手を振り、こころ先輩は撮影に戻った。カメラの前に立つと子どもっぽい笑顔は消えて、読者モデル中司こころの笑顔になった。やっぱり、先輩はすごい。









オトナノエガオ

(あたしもいつか、先輩みたいなモデルになりたいです!)(おいおい、尊敬すべきモデルさんは世の中いっぱいいるぞう?)(でも、あたしは先輩のモデル姿が好きなんです)(ちょ、ミッキー告白とか、照れる!)(あ、そういう意味じゃなくって……)(あ、そうなの?)

















美希たんとこころちゃん。とりあえず百合ではないと主張したい。

……正直、百合でもいいけどね! でもこれは百合じゃないです。はい。

こころちゃんはなかなか出来るモデルさんのようです。美希たんが読者モデルするきっかけとかだったらいい^^^^





BLD風味注意














何かが違う。
見慣れた校庭、けれど何かが違うことだけははっきりとわかった。
何が? それは、わからないけど。

「……」

昔から「お前は勘だけはいいね」と言われていた。あと、「よく動き回る」だったか。ともかく、俺の勘はこの校庭が何か違うと俺に教えてくれていた。
何が違う? 何かが、違う。
一歩踏み出したとき、確信した。

目の前が暗くなり、尻に強い衝撃。

「大ー成ー功」

どこかやる気のない声。いやに土臭い。顔を上げると、見たことのある顔があった。

「綾部……喜八郎だっけ? 作法委員会の」
「はい」
「あのさ、」
「はい」
「なんだコレ」

コレとは、つまり今俺が落ちた……落とし穴。大成功、ってことは綾部がこの穴を開けたのだろう。

「トシちゃん九号です」
「トシちゃん?」
「落とし穴の、トシちゃんです」

なるほどトシちゃん。じゃなくって、

「何で俺を落としたのさ」
「てっきり避けると思いました。仙蔵先輩の火矢は軽々避けられていますから」

いやいや、質問の答えになってないぞ、綾部。

「真綾さんのおもしろい姿が見れてよかったです」
「……どういう意味よ、それ」

俺が尋ねると「さあ?」と意味深な返答をされてしまった。

「登れますか?」
「無理。どう考えても深すぎだろ、これ!」

俺の身長の二倍近くの深さのある穴。道具を持っていない俺に登れというのはなかなか酷だ。
とかなんとか考えてたら縄が降りてきた。その縄を使って数分ぶりの地上に戻る。

「ありがとう綾部」
「いえ。……真綾さん、気づいていたんですか?」

突然の問いに意味が分からず首を傾げる。

「トシちゃん九号、気づいてましたよね」
「んー、まあなんかあるなあ程度だけど。それがどうした?」
「僕の落とし穴も、まだまだみたいだ」

なんだか自己完結な呟きを零した綾部は、すたすたと俺の前から去っていった。
……なんて言うか、変わった奴だな。



転落、
(って……)(また落とし穴かああああああ!!)(大ー成ー功)














綾部と真綾さん。真綾さんはとりあえずみんなと仲良しです、はい。
でも夢主は一回綾部の穴に落ちないと、ね!(笑)

プロフィール
HN:
桃月
性別:
女性
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