忍者ブログ
まるで夢を見る者のような、
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ほんのり百合風味












愚かな人間だ。私に、戦いを挑むなんて。
小さな町の人間の不幸。それだけのために私の目の前に現れたプリキュアたちは私に戦いを挑む。

「愚かね」
「何ですって!」
「私の目的はお前たちを倒すことではない」

イースやサウラー、ウエスターはプリキュアを倒すことに固執しているが、本来私たちラビリンスの目的はプリキュアを倒すことではない。
あくまで、不幸を集めること。

「お前たちには、用はない」

手を合わせ、ダイヤを召還する。その姿を見て、プリキュアたちの目が大きく開かれた。

「そんな量……、出すなんて」
「あいつらと同じと思わないでちょうだい」
「絶対に、止めるわ!」

ピーチが走り出す。パインとベリーが何か叫んだが、ピーチは構わず走り出した。予想通りの行動に、口元が上がる。

「避けれると、思ってるの?」

ダイヤを投げる。それは一斉にピーチに向かう。

「っ、あああああああ?!」
「ピーチ!!」

ダイヤの直接攻撃を受けて、ピーチが倒れた。

「安心しなさい。お前たちをナキワメーケにしても、意味はないわ」
「何ですって!」
「許さない……!」

パインがぎっと私を見つめ、技を出そうと構えた。

「プリキュア! ヒーリング」
「遅いわ」

たん、と跳躍すれば目の前にパインの驚愕の顔が見えた。その腹に、蹴りを入れると、パインはあっさりと遠くに飛んだ。

「パイン!」
「この程度の存在に手こずるなんて……同じラビリンス幹部として、恥ずかしく思うわ」
「あんた……っ!」

ベリーが強く私を睨む。一番、やりがいがありそうな瞳の彼女を見て、私は笑いが止まらなかった。

「何が可笑しいの?!」
「あなたのそう言う瞳、嫌いじゃない……ううん、むしろ好きよ」
「何言って、」

私が目の前に迫ってもベリーは困惑も驚愕も見せず、むしろ怒りをあらわにした。私に向かってパンチを飛ばしたが、私は容易く避けることができた。食らったら、かなりダメージがありそうだけれど。

「うん、いいねあなた」
「ふざけないで!」
「ふざけたつもりはないわ。きっとあなたからはいい不幸が手に入りそうね」

これは確信。

「今日はこの辺にしてあげる」
「何……を」
「バイバイ、キュアベリー」




それは確信
(あの子の鋭い瞳、ゾクゾクするわ)(……センティ、奴らには手を出さないで。私の獲物よ)(何言ってる! 奴らは俺が倒す!)(彼女たちはなかなか僕の興味をそそるね)
(……ちょっとバカにしていて悪かったわねプリキュア)(きっといい不幸が手に入りそうね)(また会えるのが、楽しみよプリキュア)














センティがヤンデルな件について。
でもセンティは若干ヤンデレだと私、信じてる!
センティの方向が解らない……
最初はサウラーメインだったのだけど考えれば考えるほど、美希たんメインになりつつある……。
とりあえずサウラー→センティ→ベリーで、こころ←美希←南だといい。
ゾクゾクする~は多分Wのせいです(笑)



PR
BLD注意。















「せーんーぞーおー!」
「諦めろ。仙蔵は俺たちが貰った」
「留さん、それ誤解を招くよ」
「留三郎てめぇぇぇぇぇぇ!!」

夏休みももう終わりを告げようとしているこの時期。みんな考えることは同じらしく、仙蔵の家には見事にいつものメンバーがいた。

「よう真綾! お前も宿題見せてくれるのか!」
「小平太までいんのかよ……ってかお前『も』って?」
「おれは丸写しする覚悟だ!」
「で、長次は?」
「……資料の、貸し出し」

なるほど納得。に、しても

「お前ら邪魔」
「はあ?!」

俺の一言に小平太と文次郎が声を上げた。

「俺たちだって写さないと困るんだよ!」
「うっせぇ文次郎! それはお前が宿題終わらせなかったからだろうが!」
「バカタレ! それはお前も同じだ!!」
「五月蝿い」

仙蔵の一言で一気に夏が冬のように冷え込んだ気がする。

「貴様ら、全員揃って私の宿題を写そうと言うのか」
「うん」

ここは俺と文次郎と小平太と留三郎がいきぴったりに頷いた。

「帰れ」
「おう、そうだ! お前ら帰れ!」
「お前もだ、真綾」
「そうそう俺も……って、えぇぇぇ?!」

仙蔵の言葉に俺、涙目。

「何で?!」
「邪魔だ」
「そうだな、邪魔だ。文次郎も留三郎も小平太も長次も伊作も」
「だから、お前もだ」
「何だと?!」
「真綾、お前は何しに来たんだ。まだこいつらはわかるが、お前は学年が違うだろう」

それを言われればそうですが。

「俺は、夏の最後を仙蔵と過ごそうと思って」
「帰れ」
「ひどっ?!」
「私は静かに夏の終わりを過ごすつもりだった。何故貴様らと過ごさないといけない?」

そんな風に言わなくてもいいじゃん……。けど、仙蔵の目はマジだった。

「仙蔵のいじわるぅ」
「いいじゃない、仙蔵。みんなで勉強会も、夏の思い出ってことで」
「ナイス伊作!」

流石みんなのスウィートエンジェル伊作! 一同拍手をする。うん、伊作の無垢な笑顔に仙蔵も言葉を失っている!

「……全く、」
「じゃーみんなで仙蔵の宿題写すぞー!」
「おー!」
「少しぐらい自分たちの力でしたらどうだお前ら……」

そんな風に言われてははは、と笑ったとき伸ばした足に何かが当たった。何だ、と思って手を伸ばしてそれを取った。

「真綾、何でお前がそのワーク持ってるんだ?」

それはどうやら仙蔵たちの学年が使う夏休みの課題ワークらしい。へー、と思ってぱらぱらめくると、それは白紙だった。

「これ誰のだ?」
「俺のはここにある。それはもう終わらせたぞ」
「俺のもあるぞ。確か終わった」
「私はここにあるよ。もう終わったし」
「おれはここにあるぞ! これだけは終わらせた!」
「じゃあ長次?」
「……家に終わったものがある」
「っつーことは……」

視線が一点に集まる。視線の先には、余裕の表情を浮かべていた仙蔵。

「私の、だと?」

仙蔵は引きつった表情をして鞄を見る。机の棚を見る。引き出しの中を見る。本棚を見る。

「せ、仙蔵?」
「ない。ワークが、ない」
「やった覚えは?」
「……ない」

その一言に一同が凍りついた。








宿題狂騒曲
(じゃあ写し終わったからおれは帰るかな……)(私も……)(俺も帰るかなー)(待て貴様ら)(ひぃぃぃっ?!)(私が……写し終わるまで、誰一人帰さんぞ……!)(やっかいなことになったな……)(全くだな……)(帰さないなんて言われたら俺ドキドキしちゃうぜ、仙蔵!)(お前は帰れ真綾)

















まさかの仙さま終わってないオチ(笑)
でもたまに仙さまはぽかする感じがいいよね^^ちょいポカって仙さまが愛おしい。
わ、私は宿題終わったんだからね!←←
「あきかちゃ~ん、助けてぇ!」

ナッツハウスでかれんとこまちとお茶をしていたら、扉の強く開かれる音と、のぞみの泣きそうな叫び声が響いた。上から様子を見ると、声通り半泣きののぞみと呆れた様子のりん、それから苦笑いを浮かべているうららがいた。のぞみの手には本が抱えられている。

「のぞみ、どうしたの?」
「ああ、いいよあきか。のぞみの自業自得なんだから」
「りんちゃん酷い!」

と、のぞみとりんが言い争いを始めだしたので、事情を聞くため下の階に降りた。かれんもこまちも苦笑い。

「うらら、どうしたの? これ」
「あきかさん……えーっと」

うららの説明によると、夏休みはもう終わりそうなのにのぞみもりんも宿題が片付いていないらしい。ちなみにうららも少し残っているとか。

「お仕事、夏の間に結構入っちゃって……。あきかさんは終わりましたか?」
「うん……あ、残ってた」

そういえば、読書感想文があった。

「あきかさん、読書感想文残していたの?」
「すぐに終わらせないとだめでしょう」
「まあ……こまちとかれんは?」
「私は終わったわ」

かれんは当たり前、という様子。

「私も明日には終わるわ」

こまちもにこりと笑って答えた。

「こまちさん! かれんさん!」
「のぞみ、自分の宿題は自分で片づけなさい」
「ほら、かれんさんもそう言ってるじゃない。あ。かれんさん、数学でわからないところがあったから教えてくれませんか?」
「ええ、いいわよ」
「ずるーいりんちゃん!!」
「こまちさん! 感想文におすすめの本、ありますか? わたしも感想文、残ってて」
「あ、私も教えてほしい」
「そうねー……なら、今から図書館に行ってみましょう」
「うらら?! あきかちゃんまで?!」
「じゃありん、上に行きましょうか」
「そうですね!」
「私たちも」
「はい! 図書館に行きましょう!」
「うぅ……」

みんなで少し意地悪をすると、のぞみが今すぐにでも泣きそうな顔をした。それをみんなでみて、それから互いの顔を合わせて同時にため息。とりあえずのぞみの状況確認をする。

「のぞみ、何が終わってないの」
「国語のワーク、数学のプリント、英語のワーク、理科のワーク、社会のレポート」
「それって、ほぼ全部じゃない」

呆れた。さすがにここまで放置して遊びほうけていたのかと思うとりんの「自業自得」という言葉にも納得。

「でもね! 私、読書感想文は終わったんだから!」

何故か胸をはって私にのぞみは言ってきた。

「……威張って言うことじゃない!」



宿題狂騒曲
(かれんさぁん、ここわかんないですぅ)(そこさっきも教えたわよ)
(こまちさぁん、ここ読めませぇん)(辞書は引いてみた?)
(りんちゃぁん、これこの式何ぃ?)(教科書に載ってたわよ)
(うららぁ、ここどうするのぉ?)(確かこの文法を使うと思いますよ)
(ねーねーあきかちゃん、何調べた?)(真似しそうだから教えない)(えぇ?! あきかちゃん酷い!)
(((((自業自得!)))))(……はい)












のぞみは絶対ギリギリまで宿題を溜めるタイプ(笑)
りんちゃんはわからないところを飛ばし飛ばしするタイプでうららは忙しい中でも少しずつ消化していく感じ。
かれんは夏休み始まって一週間で、こまちは7月以内に終わらせそう。
そして結局みんなのぞみを手伝っちゃうと思う^^
「あついな、イース」
「そうね」
「あついな、サウラー」
「そうだね」
「あついな、センティ」
「……その発言が暑苦しいわよ!」

しばらく黙っていたけれどウエスターがあついあつい五月蝿くて流石に私も腹が立ってウエスターに怒鳴った。イースが眉間に皺を寄せて本に視線を落とし、サウラーはにやりと私とウエスターを見て笑った。

「暑い暑いってわかってるわよ! あんたが言えば言うほど暑くなるのよ!!」
「センティ、あなたも暑いわ」

と、イースに言われて私は口を閉じる。しかしウエスターはぼんやりした顔で私を見ている。暑がっていたが、確かに顔も赤い。

「どうしたんだい、ウエスター? やけに顔が赤いけれど」
「あつ、い」

サウラーが尋ねると、ウエスターは突然、倒れた。

「ウエスター?!」





とりあえず倒れたウエスターは私たちによって寝室に運ばれた。やけに汗が出ているし、息づかいも荒い。
管理国家ラビリンスと言えど、体調までは管理できるはずもなく、時折国民でも体調を崩すことだってある。けれど、まさかあの体力バカがこんな風に倒れるとは思わなかった。

「風邪だね」
「……は?」

ウエスターの部屋に入って様子を見ていたサウラーが一言。風邪、というのは

「冬場によくはやる、あれ?」
「ああ」
「……何で」
「ウエスターだからでしょう」

イースがどうでもよさそうに言い放った。

「どういう意味?」
「つまり、高いところが好きなあれと同じってわけだね」
「そういうこと」

サウラーは理解しているらしいけれど、高いところが好きなあれ? って、あ。

「バカ」
「オレはバカじゃない!!」

部屋の外で話していたのに聞こえるなんて地獄耳。三人で顔を合わせてはあ、とため息をついた。

「とりあえず僕は不幸を集めに行くよ」
「私も予定があるから」
「……え?」

サウラーもイースも出るなんて、嫌な予感。

「センティ、あなたは予定ないって言っていたわね」
「ウエスターの世話、任せたよ」

サウラーの一言は、やけに楽しそうだった。





「ウエスター、入るわよ」

小さくノックをして、私はウエスターの寝室に入る。返事がないと思ったらウエスターはしっかり目を閉じて眠っている。せっかくお粥作ったのに。

「ま、熱いから食べれないわよね」

とりあえずベッドの側にある椅子に座る。寝ているからか、息づかいが先ほどよりも落ち着いている。

「……熱い?」

顔は真っ赤なままだから、熱いのだろう。額に乗せているタオルを取ると熱を帯びていた。机の上にある洗面器の水に浸してタオルを冷やす。それをウエスターの額に乗せるとウエスターの顔が少し楽になったように見えた。
するとウエスターの目がうっすらと開かれた。

「大丈夫?」
「う……」
「あんた、お腹はすいてない?」
「たべ、る」

と言ってウエスターは体を起こした。私は蓮華にお粥を掬ってウエスターの前に突きつける。

「食べなさい」
「……もう少し優しくしてほしいな」
「自分の体調管理ができないくせに」
「五月蝿い」

不機嫌そうにそう呟いて、ウエスターは突きつけた蓮華を口の中に入れた。しばらく口をもぐもぐと動かして、ウエスターは私を見て言った。


「まずい」


「……」

気づいたら私はお粥の入った鍋を掴んでいた。






夏風邪をひくなんとか
(このバカー!!)(うあっ?!)








夏風邪シリーズ第二段。
ウエスターは夏風邪をひくなんとかだと思います(笑)
なんかセンティがウエスター寄りになってきている件。予定なら南とみきたんのはずなのに…………!
BLD風味注意













「助けて」

泣きつくような声で、真綾は私に言った。何言っているんだ、こいつは。
突然小松田さんが「大変なんだよ!」と私を引っ張り、事務員が普段生活する部屋に連れて行くと、そこには布団で寝ている真綾がいた。

「真綾さんしっかりしてください! ほら、立花くん連れてきましたよ!」
「……小松田さん、これは」
「実は真綾さん、夏風邪ひいちゃったみたいで」

真綾が夏風邪をひいたら、何故私が呼ばれないといけない?

「助けて」

その時、掠れて泣きそうな真綾の声が聞こえた。一瞬、誰のものかわからないくらい小さくて掠れたものだった。

「仙蔵、助けて。死んじゃう」
「……は?」

何を言っているんだ、こいつ。夏風邪ごときで死ぬはずがないだろう。

「わ、わたし新野先生呼んできます!」

小松田さんがそう言って部屋を出て行った。最初から私を呼ぶより新野先生を呼んだ方がよかったのでは、と思う。
そして、真綾は

「熱い。助けて」

さっきからうなされていて、流石に立って見ているのも悪い気がしたので、私は真綾の布団のそばに座った。

「熱があるのか」

真綾の額にふれると、私のそれよりも熱を帯びていた。またいつもの冗談か何かかと思っていたのだが、この熱は本当らしい。手を離そうとしたとき、真綾の掠れた声で「待って」と制止された。

「仙蔵の手」
「え?」
「仙蔵の手、冷たい」

顔を真っ赤にさせた真綾が幸せそうに笑う。

「もうちょっと、置いて」
「あ、ああ」

どうも病気で弱っていると、いつものように扱えない。私の手はしばらく真綾の額に触れたままだった。




夏風邪をひくなんとか
(仙蔵、仙蔵)(何だ)(しばらくこのままがいい)(そうか)(あー、熱いなあ)(……そうだ、な)












真綾と仙蔵。
時々見せる仙ちゃんの優しさは貴重\(^o^)/
そして真綾が珍しく弱ってます(笑)いや、いつも見ているところで熱出したら相手が優しくなるよって展開を見て触発されました。まいった。
しかし小松田さん早く新野先生連れてきなよ! 真綾が仙ちゃんおそry
プロフィール
HN:
桃月
性別:
女性
最新CM
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
  Designed by A.com