超えたところで（DCD/共演）

初DCDは共演です。桃月です。
またまたXYZのらた子ちゃん宅の美琴ちゃんとうちの十矢さんの共演です。

「うざい」

　おっと、こっちはまだ何も言っていない。にも関わらず、川本美琴というこの女は一言俺の顔を見るなり言った。

「何も言ってないだろ、俺」
「じゃあ存在がうざい」
「……さすがに俺も傷つくぜ」

　そりゃ、それだけで傷つくような俺ではないけれど。さすがにいきなり会って「うざい」と言われたらちょっと傷つく。まあ、予想はしていたけれど。

「傷ついてないような顔で言われても、全く罪悪感が生まれないんだけど」
「あれ、罪悪感持ってくれるつもりだった？」
「これっぽっちも」

　ふっと彼女は笑う。俗に言う小悪魔の笑み、という奴だろうか。けれどその笑みは士のそばにいるときの笑みよりは、幸せそうじゃない。

「一つアドバイス」
「何？」
「言うならさっさと言ったほうが良いよ。士、かなり鈍感だから」

　きょとん、という音が似合いそうな顔。こっちが吹いてしまいそうなその間抜けな彼女の顔は、すぐにどす黒い睨みへと変わる。

「遊ぶ、ってもうちょっと大人が使う言葉だぜ」
「あんたみたいな？」
「うーん、俺はまだまだ子どもだから。だから、」
「だから？」

　不機嫌が大量に含まれた声で言葉の続きを催促される。そんなに期待されるようなこと言うつもりはないんだけど。

「俺は素直に愛を叫ぶ訳だ」
「……うざいって言ったの、なかったことにしてあげる」

　代わりに、と彼女は少し息を吸ってはっきりと俺に言った。

「気持ち悪い！！」






超えたところで
（俺としては好きな人ほどいじめるって神経の方が気持ち悪いな）（あんたまず性別って奴を考えたらどうなのよ！）（うーん、考えた事ないなあ）（そういう風に考えられる、意味が解からない……！）














あれ、何か十矢きもい……士君逃げてー！
美琴ちゃんはツンデレであると勘違いしてます桃月です。
だって、好きな子ほどいじめるとか、絶対ツンデレ…………！
大樹君とのからみも期待しております☆