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まるで夢を見る者のような、
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「お前は、何を背負っている」

珍しく今日は私だけ。ナッツハウスはもともとお客さんが少ないから、余計静かだった。
だから、いつもなら小さく聞こえるナッツさんの声が、やけに大きく聞こえた。

「……え?」
「何を背負っている、と訊いたんだ」

ナッツは本に視線を落としたまま、私に尋ねた。彼はきっと、わかっているんだ。

私が、ナイトメアの人間であることを。

「どうして、そんなことを」

ナッツさんに背を向け、商品棚を見たままで私は尋ね返す。

「似ているから」
「私と、あなたが?」
「お前の過去を詮索するつもりはない。ただ、お前が俺と似ているように思えたんだ」
「……そんな、こと」

そんなことない、そう言い切れなかった。彼はパルミエ王国の王子で、門番だった。ナイトメア襲撃の際、私たちは彼を騙して、門を開いた。

「あなたは、背負っていると言うんですか」
「ああ」

振り向くと、ナッツさんは首からかけていた鍵をぎゅっと握っていた。

「俺は、あの時奪われたものの分、背負っている」
「……何故、私に言うんですか」
「俺とお前が、似ている。ただ、それだけだ」

手放された鍵は、ナッツさんの胸で吊され、輝く。

「例えば私が、本当に背負っていると、したら?」
「何も変わらないだろう」

何も、変わらない。

「お前はお前だ。それから、何かが変わるのか
「……あなたは、優しい人ですね」
「優しさなんかじゃ、ない。これは……俺のエゴだ」
「それでも、私には優しく思えるんです」



影を背負う者
(背負う者にはわかる)(影は日に日に重くなり)(いつか身を潰すことを)
(それでも背負い続けないとならない)(それが背負う者)(それが背負う物)(それが背負うもの)










ナッツ×アキカさん。
基本的にナッツとアキカさんは似ていると思うんだ。だからこそ、ナッツは優しさを見せる、みたいな。
ナッツは自分が許した人間には徹底的にデレだといい。ナツデレ萌える。

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※北→南前提
※南が病んでます






ここ数日、サウラーの姿を見ていなかった。ずっとノーザに呼ばれて、ノーザの部屋にいた。だから、そのとき彼を見たのはずいぶん久しぶりのことだった。

「サウラー……?」

そんな彼の姿は、とても傷だらけで、とても疲れ果てていて、とてもやつれていて、今にも消えてしまいそうな小さな姿だった。

「どうしたの、サウラー?! そんなボロボロで!」
「センティ……」

久しぶりに聞いた声は、小さく掠れていた。そして、サウラーは私を抱き寄せた。突然のことに、私は何も出来ずにサウラーの胸に顔を当てられた。

「サウラー、苦しい……!」
「センティ、僕はもう疲れたんだ」
「何を言っているの? サウラー、離して」
「センティ、僕は君のことが」
「何を……!」
「僕は君さえいればいいんだ、僕は……」

何があったのかは解らないが、サウラーは普通とは違う。少しずつ、抱く力が強くなってゆく。

「私なんかじゃ、ないでしょう……」
「……」
「あなたには、ノーザがいるでしょう」
「違う」

サウラーはさらに強く抱く。そのまま抱いて、私を殺してしまいそうだった。

「僕には、君だけでいいんだ。僕は、ノーザを求めてなんかいない」
「何を言って……!」
「彼女にとって、僕はただの道具さ。どうせ、僕を本当に求めていない」
「サウラー……?」
「お願いだ、もう少しこのままで、いさせてくれ」

逃れる術なんて知らない。だから、私は彼の言うままに抱かれていた。

「このまま、一緒に……」



逃れられない
(どうして離れられないんだろう)(私は彼のことを)(何とも思っていないのに)(どうしてこんなに)(暖かいと思ってしまうんだろう)










ノーザ×サウラーを応援していますが、ノーザ×ウエスターもかなり大好きです。ぶっちゃけラビリンスはみんな好きよ(笑)
サウラーはヤンデレな感じでセンティを愛してくれれば嬉しいです。サウラーは普通の愛し方が出来ないって、私信じてる!←
ところで、みきたんの弟の和希は出ないんすか? え、ラビリンスの一員だと思っていたんですが……

そのうちこころと和希の話も書きたいです。
「カワリーノ、さん」

声をかけても、視線は私に向けられない。ただ、書類一点を見つめている。

「カワリーノさん」
「ああ、アキヤさんですか」

気怠そうにカワリーノさんは返事をする。視線は、向けられない。

「どうかしましたか」
「いえ、その……」
「用が無いのなら、早くドリームコレットを奪ってきたらどうです」

ああ、やっぱり。あのときから、カワリーノさんは私を見てくれなくなった。あのときから、カワリーノさんは私を避けるようになった。

「カワリーノさん、ずっとお仕事でしたから、もしよければ一緒に食事でも」
「聞こえませんでしたか」

視線は書類のまま、カワリーノさんは言う。

「早く、仕事をしたらどうですか、アキヤさん」

あのときから、カワリーノさんは私を見てくれなくなった。
そう、アキカがいなくなったあのときから。

アキカと同じ髪。
アキカと同じ背丈。
アキカと同じ顔立ち。
アキカと同じ声の質。

アキカと同じ、全て。

だから、

「……申し訳、ありません」

だからあなたは私を見てくれない。大切なあなたの『部下』がいなくなってしまったのだから。

「あなたのために――必ずや」

あなたに振り向いて貰える、あの子の鏡になるために





鏡のようにはなれない
(そんなにアキカがいいなら)(私がアキカになります)(そんなに優秀な駒がいいなら)(私が優秀な駒になります)(あなたのためになら)(私は鏡にだってなる)
(あなたに振り向いてもらう)(そのために)













アキヤさんはかなりアキカさんにコンプレックスを抱いていると思います。
カワリーノさんは病的にアキカさんが好きです。アキヤさんのことは『いい部下』程度かと。
なんだこのナイトメア昼ドラ計画は……(笑)

BLD注意。














「馬鹿だろう、お前」

言われてみればそうだが、けど真正面から言われると、やはり泣きたくなる。

「仙蔵ー……」
「口を動かすな。手を動かせ」
「仙」
「黙れ」

もはや発言権すら与えられない。本気で目が潤んできた。目の前の文字が歪んで、見えない。

「手を動かせ」
「あの……」
「なんだ」
「……わかりません」

目をこすって涙を拭い、仙蔵の顔をみる。その顔は、完全に俺を睨んでいた。いや、見下していた。

「……何度目だ」
「かれこれ十八回目です」
「ふざけるな」

そう言われればそうだが、俺だって好きで訊いている、わけだが。に、しても仙蔵の俺に対する扱いは酷すぎる。泣いちゃうよ、俺。泣いてるよ、俺。

「お前、後輩に教わることに何も思わないのか」

しかも、二つも年下に、数学を。唯一の救いがⅠ・Aであること。これがⅡ・Bだったら俺の立場もクソもない。俺泣くぞ、いや、泣いてます。はい。

「すみません、もう一度教えてください」
「……センターまで、あとどれくらいだ」
「えーっと……二ヶ月、くらい」
「必要な科目は」
「とりあえず国、数Ⅰ・Aと英語。あと、理科一つと現社も」
「……しょうがない、あと二ヶ月なら」

仙蔵がくるりと振り返ると、その笑みはやけに強気なものだった。

「貴様に、全て叩き込んでやろう」



受験戦争と戦場の女神
(一番いい点は?)(国語で……八七)(悪い)(うぐっ)(ならその点数に、プラス七十点だな)(ぶっ?!)(私の教育についていけるなら、これぐらい余裕だ)(お、おう……)










受験戦争なのは私です。もう泣きたい(笑)
とりあえず仙蔵と真綾。真綾は基本的に仙蔵が行きそうな大学目指してます。そして仙蔵もいっちゃう、とか^^
仙蔵は学年でも賢ければいい。真綾を教えるのも余裕なくらいで!
「ねぇ、本当にあんた幽霊なの?」

きり丸はじっと彼女を見つめて尋ねる。しばらく彼女はぱちぱちとまばたきをしたが、「ああ」と言って頷いた。

「うん。私、幽霊だよ」
「嘘みたい。なんか、あんたって幽霊ぽくない」
「そうかな」
「そう」

強く肯定するきり丸に彼女は苦笑いを浮かべる。半透明の彼女をまっすぐ見つめるきり丸の顔は、いつもより真剣だった。

「ねぇ」
「何、きり丸くん?」
「俺の父さんと母さん、見たことある?」

きり丸の問いに、彼女はまたぱちぱちとまばたき。きり丸は言葉を続けた。

「俺の父さんと母さんもあんたみたいに戦で死んだんだ、俺が小さい頃に。もしかしたら、幽霊になってるかもしれないって思って」

最後の方は声が小さくなりながら、きり丸は言った。しばらく二人の間に沈黙が続くと、きり丸はへらりと笑って「何言ってるんだろうな」と明るく声をあげた。

「ごめんなさい、変なこと訊いて」
「きり丸くん……」
「ただ、どんな幽霊がいるのか知りたくて」
「ごめんね」

しゅんとした彼女の顔を見て、きり丸は少しだけ、泣きそうな顔で、笑った。



ねぇ、知ってる?
(何であんたが泣くんだよ)(だって、私、何にも出来ないから)(何か俺が泣かせたみたいじゃん、やめてよ)(でもぉ……!)(本当にあんたって、幽霊ぽくないよな)













カナデちゃんときりちゃん。
とりあえずきりちゃんの両親ネタがしたかった結果です。
きっときりちゃんは二人だけの時はカナデちゃんを名前で呼ばないと思われる。むしろ呼んでほしくない(笑)

プロフィール
HN:
桃月
性別:
女性
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