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まるで夢を見る者のような、
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※最終話後、inラビリンス


いわゆるこれが、恋、らしい。

「瞬、何読んでるの?」

視線を文字列から上にずらすと、そこには、こころの姿があった。

「小説だよ」
「ポンタの冒険、じゃなくって?」
「あれはもう読み終わったよ。今はこれ」

そう言って、こころに本を渡す。ちょうど開いたページにはあのフレーズが書かれていた。

「いわゆるこれが、恋、らしい」
「気になるだろう、そのフレーズ」
「気になるって……瞬も随分、乙女な趣味ね」
「そうかな? 僕はこういった作品も好きなんだよ」
「……なんか意外かも」

ぺらぺらとページをめくりながら、こころは複雑そうな顔をした。それから小さく息を吐いて、僕に本を渡す。

「仕事に戻るの?」
「うん、今は休憩だったから。だから」

だから、と言ったこころの言葉が止まった。

「僕に会いたかった?」
「なっ!」

図星、のようだ。顔を真っ赤にさせたこころを見た途端、ぷっ、と吹き出してしまった。

「わかってるよ。こころが僕のこと、好きってことぐらい」
「その自信はどこから来るのかしら……」
呆れのため息を吐くこころだったが、その口の端には笑みが浮かんでいた。

「僕は事実を述べただけさ」
「……そうね。そうですね」

もういいわよ、と言いかけた口を、ふさぐ。

「――って、何してんの?!」
「ひとつ、補足がしたいんだ」

顔を先ほどよりもさらに真っ赤にさせたこころが「はあっ?!」と声を荒げた。

「さっきの事実の中には、ささやかな僕の願望も含まれていたんだ」
「……っ、今更何よ!」

いわゆるこれが、恋、らしい。













久々に新鮮。
南→←中は最終話後のほうが激しいです。素直になれない二人たまらん!
個人的にラビリンスでも人間名使っていたらいいなあってささやかに思います。瞬とかこころとか呼び合っていればいい!


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